新しいジャンルとの出会いを制限したオタクの話

神取(かんどり)です。
今回は、人生の半分以上をオタクとして過ごしてきた私が「新しいジャンルとの出会いを制限するに至った話」を書きます。

※ここで言うジャンルとは、主にゲームやアニメ・小説などの作品タイトルを指します。
もっと大まかなものを指す場合もありますが(例:アトラスのゲーム全般・ジャンプ漫画など)、この記事上では作品タイトル単位として扱います。

目次

新しいジャンルと出会ったとき、オタクの心は激しく踊っている

まず前提となる「新しいジャンルと出会ったオタクの心境」について。

これからどんな風に楽しめるか?
推しキャラを見つけられるか?
他のメディア展開は?
(ゲームならアニメ化されているか?コミカライズがあるか?など)

まだ見ぬ推しが先にいるかと思うと、いろんな可能性を感じてワクワクします。そしてジャンルのことで頭がいっぱいになります。

このときもし不安があるとするならば、

・これからどれだけのお金をつぎ込んでしまうのだろう(※主にソシャゲの場合)
・どれだけの時間をつぎ込んでしまうのだろう(※長編作品の場合)
・グッズを飾るスペースが足りるだろうか(※大人気タイトルでメディア展開も豊富な場合)

これくらいでしょうか。現実的な問題ばかりですね。
しかしこれらの問題は、ジャンルに本気でハマってしまう(=沼に入水する)と不思議と全く気にならなくなります。
そしてこれこそが、私が新しいジャンルとの出会いを制限せざるを得なくなった理由のひとつです。

新しいジャンルとの出会い方

さて、我々オタクはどのようにして新しいジャンルと出会うのでしょうか?

答えは千差万別です。
SNSでフォロワーがハマっていたり、公式アカウントのプロモツイートが流れてきたり。人気タイトルはメディア化、グッズ化に加え近年はお菓子や食品ともコラボしますので、実生活でも目にすることが多々ありますね。

私の場合、知人からオススメ(ダイレクトマーケティング)されて出会うことが殆どです。
例えば初めてモンハンをプレイしたのは当時の同僚に「一緒にやるべ」と誘われたからですし、ストリートファイターⅤに手を出したキッカケは旦那がPC版をプレゼントしてくれたからです。
これらのタイトルは当初、私にとって特別興味を惹かれるゲームではありませんでした。それなのにプレイする理由は「知り合いからオススメされたから」の一点のみです。というのも、オススメされるタイトルには「あたり」が多いのです。
知らない人間が言っていることよりも、いつも一緒に遊んでいる人や私のことを知っている人が「これ面白いよ!」とすすめてくれるもののほうが、私のニーズに合っている確率が高くなるのは必然ですよね。
そんなわけで、知人がダイマしてくるものは優先的にチェックしています。

実は数年前まで、私が新しいジャンルと出会うキッカケはもっとたくさんありました。
それこそ自分からまだ見ぬ推しを求めて最新のゲームについて調べたり、積極的に知人にオススメを聞いてまわったりもしていました。
しかしここ数年は、前述の通り知人からのダイマが殆どです。割合で言うと9割です。もっとハッキリ言うと、新しいジャンルとの出会いを意図的に少なくしているのです。

廃課金兵時代の思い出

ここで少し過去の実体験の話をします。

二十代後半に差し掛かった頃、一時期アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ(デレステ)というリズムゲームアプリにハマっていたことがありました。
当時、デレステのガシャには天井がありませんでした。そのため推しのSSRが実装されると、家賃以上の課金をすることもしばしば。キャラだけでなくリズムゲーム自体にもハマっていた私は、スコアをあげるため強い特技を持つキャラ=期間限定SSRを求め、やがて推し以外にも満遍なく課金する、いわゆる廃課金兵となっていました。

稼いだお金はすべて趣味につぎ込み、当然貯金もできず、それどころか貯金を減らしていく毎日。
同時期に刀剣乱舞にもハマっていたので、グッズや同人誌購入費用、イベント参加のための出費(さらに地方からの遠征費)も酷かったのです。
幸いなことに家族がいたため生活はできていましたが、逆を言えば一人暮らしでこんな推し活をしていたら早々に野垂れ死んでいたでしょう…。

デレステ・刀剣乱舞沼には長いあいだ居住していましたが、この2大ジャンルに関しては「このままハマっていたらヤバイ!」と思ったので意図的に情報を遮断し、沼から抜け出すことに成功しました。
特に刀剣乱舞は、ゲーム自体は無料のうえ微課金で済んでいたので、完全に卒業するまで数年かかりました。

心では推しキャラのことを愛しているのに、脳がもう関わるなと言っている…ッ!といった状態。めちゃくちゃ辛い。

デレステ卒業後にFate/Grand Order(FGO)にハマって似たような経験(家賃以上の課金一歩手前)をしたのですが、すぐに思いとどまり数か月でアンインストールするに至りました。
推しからの卒業という、時間も体力も消費するイベントをまた体験しなければならないと思うと、とても続けていく気にはなれなかったのです。

齢アラサー、注げる愛には限界があると気付く

はい。これです。
何だかんだ、この一言に尽きます。

推し活に必要なものといえば、あれもこれもとグッズを揃える財力や、ゲームをプレイしたり二次創作をしたりTwitterで語ったり、愛を綴るための時間でしょうか。推しに時間を注ぐことは趣味、いえ生き甲斐と言っても過言ではありませんが、残念ながら時間は有限です。
今までオタクとして生きてきた中で、推しと呼べる存在をいくつも見つけてきました。そう、既に推しキャラは何人もいるのです。
推しはたくさんいるけれど、私はひとり。増え続ける推しと、思うように上がらない給料…。

私は推しへ全力の愛を注ぎたい。そのためには「推し」を不用意に増やさないことが必要なのだと悟りました。
キャパを超えた推し活は文字通り身を滅ぼします。私が心身・懐ともに健康でないと、ロクに推し活できないのです!

…まあ言ってしまえば、私が複数の推しへ少しずつ愛を注げる器用な人間、もしくは財力のある人間であれば良かっただけの話ですが。
コレクター欲のあるタイプのオタク&しがない会社員なので無理でした。テヘペロ

心に決めた魂のタイトル【実家ジャンル】があれば、私は私

私には心に決めた推しジャンルがあります。

女神転生やペルソナシリーズでお馴染みのアトラスの信者となり十数年経ちました。信者となるキッカケの真・女神転生デビチルから数えると二十年になります。
この間、いくつものジャンルを渡り歩いてきました。デレステや刀剣乱舞のように、多額のお金や時間を費やしたジャンルも複数あります。しかし他のジャンルに大ハマりしているあいだもアトラス新作タイトルは予約購入しすぐにプレイ、グッズも購入しています。

常に勢いがあるわけではないけれど、最後に必ず帰ってくる場所。いくら年月が経とうともグッズを手放したくないと思えるジャンル…私はこれを実家ジャンルと呼んでいます。
それに加えて、私にとってアトラスはいつまでも浸かっていたい心地良い場所なので、沼ではなく温泉であると主張します。
私はきっと、死ぬまでずっとアトラスのゲームを愛しているでしょう。私をオタクたらしめるのはアトラスの存在なのです。

これからの「推し活」

これまでの推し活を鑑みて、私は今後新しいジャンルとの出会いを「生活・実家ジャンルへの推し活に支障がない範囲」に制限するに至りました。他ジャンルに大金をつぎ込んだ結果、本命の推しのグッズが買えない…なんて事件があってはいけないからです。
結婚し生活環境が変わり、自由時間も多少ながら減ってしまったので、同時に複数のジャンルにハマる事態も避けるようにしています。…というより、単純に年齢を重ねていることに加えて仕事も忙しくなっていますし、総じて推し活に回す体力の減少が最大の要因である気がします。

「好き」という気持ちは生き甲斐につながります。推しがいればいるほど、推しジャンルがあればあるほど、きっと人生は楽しいでしょう。
ですが今の私には、実家ジャンルであるアトラス+α(そのときハマっている一番楽しいジャンル)があれば十分幸せです。現実世界には家族や友人・可愛い愛猫たちもいますしね。

最後に…
今までに出会った・これから出会う推しキャラ&推しジャンル全てに感謝を。私のオタク人生が充実しているのはあなたたちのおかげです。

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この記事を書いた人

アトラスのゲームをこよなく愛す北陸在住のゲーマー。
文章を書くことが好き。
主人公の名前は大抵「神取どりお」でプレイ、そして大抵カオスルート。

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