メタファー:リファンタジオで感じた「お気持ち」【全力ネタバレ】感想レビュー

アトラス35周年の集大成として発売され、世界最大規模のゲームの祭典The Game Awards 2024にてBEST RPGほか3部門を受賞したメタファー:リファンタジオ。ネット上でも称賛の嵐の本作、気になるけどどういうゲームなんだろう?という人も、少し検索するだけで好意的なレビューが多数見つかるでしょう。

もちろん私もメタファーを絶賛するうちの一人で、せっかく良いタイトルに出会ったのだから自分のブログでゲームの感想を書こう!と思った次第なのですが…。
メタファーの魅力はとてもじゃないけど一言では表せないし、1周目クリアからひと月経っても全くまとまりませんでした。
仕方ないのでメタファーの魅力を伝えるレビューや考察は他の方にお任せして、この記事では私がメタファーのシナリオで「納得できない…!」と感じた要素について書き残すことにします。

※考察ではありません。
※「お気持ち」に限りなく近い、というか寧ろ「お気持ち100%」な内容となっています。
※ネタバレ全開なので、未クリアの方はご注意ください。この先は一切配慮をしておりません。

目次

ルイEND(バッドエンド)の仲間の反応は解せない

いきなりネタバレ全開で恐縮ですが、共感してくださる方も多いのではないでしょうか。

ルイENDはルイに賛同するルート(いわゆるバッドエンド)で、天の巨顔でのルイとの会話のなかで、ルイの誘いに応じる選択肢「…確かにその通りだな」を選ぶと回収できます。ちなみに、バッドエンド回収はトロフィー獲得条件にもなっていなければ見聞録が解放されるわけでもありませんでした。

実力のみを重視するルイが、ニンゲンを退ける力のある主人公を誘うのは当然の流れです。そこに違和感は全くありません。
しかし、問題はルイの誘いに応じた主人公を見た仲間の反応です。

ストロール「こうなってしまったら…考え方を変えるしかない。理不尽な争いを繰り返すよりは、マシなんだってな」
ハイザメ「仕方あるまい…拙者はつい先日まで、穴倉にいた。それよりはマシになったと、殊勝に思う外はあるまい」

ストロール!少し前に「ルイがどんな策を仕掛けようと、人の心から決して奪えないものもあるってことだ」と力強く豪語していた君はどこへ行ったんだ!?ジュナも「いつもの青臭い文句はどうしたのよ!」って言ってるじゃん。
ハイザメ!本当にそう思うのか…?ルイと一緒に行くということは、つまりこの国はニンゲンだらけになるってことなんだぞ?(あ、もしかして虫よりはニンゲンまみれのほうがまだマシって意味なの…?)

妄信して目の前の問題点を見ない振りするなら、それはもうルイ様命のゾルバと一緒です。マグナス兄弟はバッドエンドを突き進むルイの姿を見て、自分たちの意思でルートを変えたというのに…。
特にストロールがここまで意見を変えてしまうのはなかなか素直に受け入れられませんでした。旅の仲間はおろか、序盤で赤の他人のはずの主人公を助けるほど正義感の強い彼だからこそ、主人公を止めると思っていたのに…。

主人公の「理想を叶えることを諦める」姿を見て心が折れてしまった、または主人公に幻滅した可能性はあるかもしれません。半ばヤケクソのような言い方にも見えますし、私もそういったことに覚えがあります。信じた相手が自分より先に諦めてしまう姿は見たくないものです。

思い起こせば、アトラスのアクションパズル・アドベンチャーゲーム「キャサリン」でCキャサリンルートを選んだときにも同じ違和感を抱きました。
それまで悩んでいる素振りを見せていたはずの主人公・ヴィンセントが、Cルートが確定した途端に「君といられるなら俺は人間をやめたってかまわない」とか言い出して、真エンドなんて完全に悪魔になるし夢魔たちを侍らせてハーレム状態になってるしで、お前もう誰やねん!と。
ルート確定前には想像できないくらいの豹変ぶり(人格変わった?と言いたくなるくらい)が共通しています。メガテンシリーズなら基本的に主人公が無個性で複数の選択肢の積み重ねでルートが確定しますし、そもそも思想の異なる仲間とは別れることになるので、こういった違和感はありませんが。

ハイザメについては、もともと「別にここで死んだっていい」と思っていてのメンバー入りだったので、まだ無理やり納得することもでき…いややっぱりできない。なぜなら彼もストロールも、支援者ランクがMAXだったから。
もしランクによって仲間の反応が変わる仕様だったら、より深く没入できただろうな…と思います。そうなるとエンディング回収が大変ですけどね。もしくは、2人にもヒュルケンベルグやジュナのような反応をして欲しかったな、と。
要は、たとえバッドエンドでもストロールには最後まで正義を貫いて欲しかったし、ハイザメにも未来を諦めて欲しくなかったということです。主人公が既に諦めてしまっているのでフォローできませんが…支援者イベントで2人と過ごした時間が無意味だったとは思いたくなかった、ただそれだけの話です。

どうしてルイ救済ENDがないんだアトラス

メタファーでは、悪役として扱われるキャラクターの過去もしっかり語ることによって100%憎めないようになっています。
ジョアンナに対してはハイザメの「受け入れてやる」というセリフもありました。自分ではもう止められないから誰かに止めて欲しかったんだろうな…と思えば、最期の姿にはやり切れなさを感じずにはいられません。
ギドだって最後にはちょっと可愛げのあることを言ったりするし、グローデルは悪役と呼ぶにはゆるふわカワイコちゃんすぎます。ラスボスであるルイも、エルダ族としての過去や感情の変遷も詳細に語られ、その姿に同情を感じる瞬間がいくつもありました。純粋に悪役らしい悪役だったのはフォーデンとモリスくらいでしょうか。

メタファーはメガテンシリーズと違い、一本道シナリオ。
ラスボス・ルイを倒してエンディングを迎えます。ルイを倒さずに理想を叶えるルートは存在しません。
いったいこれはどういうことなんだアトラス。

ルイはありきたりな言葉で表現すると「可哀想なこども」です。
種族の壁でまわりに馴染めず、仲間にも恵まれず(これ自体はルイ自身の言動によるところも大きいので仕方ありませんが)、憧れだった相手を自分の手で殺めて、ずっと孤独でした。
本当の意味でルイを慕っていたのはゾルバだけだったのではないでしょうか。そしてそれをルイも理解していたので、マグナス兄弟に対してもどこか線を引いていたのでしょう。歌劇場でのルイの発言や態度に表れていたように思います。ルイが落ちていくとき、道連れにされそうになった主人公をストロールが引っ張り上げている様子とは対照的に、ルイに対しては誰も手を差し伸べませんでした。

そもそも、メタファーのなかで一番の悪党はどう考えてもフォーデンです。それなのに中盤であっさり死んでしまうので、ええー…と思いました。ルイがラスボスでなくても良かったのではと思う一方で、しかしルイ以外にいないだろうとも理解しています。
ただ、私は主人公にルイを救って欲しかったんです。
ルイが最終的に自分の不安に負けてニンゲン化したので仕方ないのかもしれませんが、ラスボスとして倒してもセリフもなく終わってしまうなんて…。
そうです、ルイが最期のセリフも何もなく終わってしまったのが、メタファー最大の個人的残念ポイントです。
正規ルートではないバッドエンドならともかく、一本道ルートの正エンディングであることも大きく起因しています。
真・女神転生Ⅳのワルターのように、倒した後に自我を取り戻して「お前には敵わなかったな…」的なセリフを吐く演出があったっていいじゃないか。ラスボスなんだもの。もしくはデビルサバイバーみたいに、条件付きでも大団円ルートがあってもいいんじゃないの…?あとは、贅沢を言うならルイと共闘するルートなんかも。

……とかなんとか言っていますが。
シナリオとしてこうなるのは当然というか、両者(主人公とルイ)の対比を描くにはこうするのが筋と言えばいいのか、展開に納得はしているのです。ここに書いたことは、とにかく私が「こうだったらいいなあ」と考えた、半ばこじつけのようなものです。
要は私がルイを好きで、好きなキャラの最期をもう少し飾らせてあげたかったというだけの話です。考察でもなんでもありません。もちろんシナリオが悪いわけでも、不足があるわけでもありません。
でもやっぱり、声を大にして言わせてくれ。有料DLCでもなんでもいいからルイを救える追加ルートを頼むよアトラス

メタファーは間違いなく「傑作」

メタファーに不満はほとんどありません。シナリオやビジュアル、音楽はもちろんのこと、システムまわりもこれまでの集大成という冠に違わぬノンストレス設計でした。
エト・リア関連の世界樹要素はファンにはたまらない演出でしたし、システムで言えば特にペルソナシリーズからのカレンダーシステムの改善は「素晴らしい」の一言!支援者ランクアップイベントの効率化も相まって、途中でダレることなく最後まで楽しめる作りになっていました。

ひとつだけ、強いて純粋な不満点を挙げるとしたら終盤のアーキタイプ選択とスキル習得でしょうか。
アバチュのマントラシステムと同様だったことにはテンションが上がりましたが、メタファーの場合、ロイヤル履修後はどう考えても全員ロイヤル一択で安定してしまいます。さらに後半はポイントを稼ぐのがかなり辛くなってくるので、コンプリートしたければアイテムで何とかするしかないという…。
ただ、ロイヤルを履修できるのはシナリオ終盤かつキャラによっては結構な難易度になるので、そこを差し引けばこんなもんかなー、とも思います。アイテムの入手も簡単ですし、後半はアイテムの物量で力ワザになるのも「ゲームあるある」と言えなくもないですね。

スタッフロールの後で思ったこと

スタッフロールの後、モアがプレイヤーに「君にとっては空想だろうけど…」と語りかけてきます。
現実を変えるのは難しいけど、一人じゃできないって諦めたり誰かに押し付けたりしないで、自分の足や目で少しずつ進めば、何か変わる。自分が変われば、踏み出せば周りも少しずつ変わっていく。

これはリアルにも言えることで、私には刺さりました。多分若いひとよりも、年齢を重ねた人のほうが刺さるのではないでしょうか。
会社に入社したての「言われたことをやる」頃の私ではなく、人に指示を出して教える機会も増えてきた今の私は、意見が違う人とわかりあうことの難しさを知っています。同じ会社に属していても、たとえゴールが同じでも、みんなが同じ考えを持っているわけではありません。ルートが無数にあって、人の数だけ考えがあります。
立場を利用して無理やり押し通すこともできないわけじゃないけれど、それでうまく丸め込んでも、いつかどこかで綻びが出てくるもの。長い目で、時間をかけて、無駄かもしれないことを地道にやるのが必要だったりします。

ルイのように、動かない上司を見て「あー…この人はもう諦めてしまったんだな…」とガッカリしたこともあります。ですが、腐らず自分にできることを見つけていきたいと思いました。少しでも良くなるように。メタファーの主人公のように。「理想主義」は、簡単にはうまくいかない現実で掲げるのは難しい。逃げたくなるけれど、それでは何も変わらないから。
とまあ、「現実」のプレイヤーにも影響を与えてくれました。これがメタファーってやつか。

2周目は(意図的に)プレイ制限中

余談ではありますが、現在2周目を最高難易度でプレイ中です。
…が、1周目は夢中でプレイしていたから2周目はゆっくり噛み締めながらやろう…と計画していたのに、やはり楽しすぎて気付けばすぐに中盤まで進んでいました(アーキタイプ履修状況や装備を引き継いでいるのでボス戦もほとんどスキップ状態)。これでは永遠に周回が終わらないし、レビュー記事も更新できないぞ…と思ったので、一時的にゲームの手を止めています。この記事を投稿したらまたプレイを再開するつもりです。そして2周目もクリアしたら、自分用に録画しながらの3周目を、今度こそゆっくり嚙み締めながらプレイしたいと考えています。

こんなにも長期間ずっとプレイしていたい、世界観に浸っていたいと感じたタイトルは久しぶりでした。
初めてペルソナ4をプレイしたときの「なんだこのゲームは!?楽しすぎる!」という感動を、まさかまた味わえるなんて。

ありがとう、アトラス。コンゴトモヨロシク頼む。

メタファー、最高だァーッ!(状態:魅了)

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この記事を書いた人

アトラスのゲームをこよなく愛す北陸在住のゲーマー。
文章を書くことが好き。
主人公の名前は大抵「神取どりお」でプレイ、そして大抵カオスルート。

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